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お問い合わせは Lapinまで。 発行/管理:Miette 著者 三橋和賀子 無断転載、複製は禁止します。 The ban on unapproved reproduction |
『今夜ひとりのベッドで』
淡々と穏やかな最終回でした。6人はひとりずつになった。けど、それぞれが少し孤独から抜け出して、希望がある感じでよかったんじゃないかな。 父(岸部一徳)をちゃんと知ることで、明之(本木雅弘)が長い間、心に抱えていたわだかまりはかなり溶けたみたい。 いくつになっても、ちゃんと人は変われるんだな。よかった、よかった。野ブタの修二も救われたけど、明之も自分の心の闇から抜け出せた。 父は、明之と了(要潤)のために、生まれる前から最近までずっと積立貯金してたことがわかる。これ、前回、玲子(羽田美智子)が話してた、こどもにかかるお金の“0=ハート”って話に通じるんだな。しかも了(要潤)の借金や、明之のこどもへの愛へも通じるし。 でも、いろんな名字のハンコがいっぱいあったりして、単にいいシーンにしてないとこが、このドラマっぽいなあと思った。私はこういう感じ好きなんだけど、このちょっとズラす感じが受けないのかなあ。 あとお葬式のシーン、不謹慎だけどおかしかった。父ったら21人目(!)の浮気相手のナースのとこで亡くなったし。お葬式には訳ありっぽい女の人、たくさん来てるし。たくさんの浮気にあきはてた了の母は、喪主しないっていうし。なんか死んでからも父っぽかったな。でも浮気相手たちが泣いてるから、ちゃんと愛し合って、向き合ってたんだろうな。しかし、ラスト2回は、ちょっと父にいいとこ持ってかれた感じっすね。 あと若い頃、父が描いた明之の母の絵、ステキでしたね。それを装丁家の明之は、父を思わせる小説の表紙にした。なんか父と明之が、仕事でつながってるのがいい。梓ともガラスでつながってたけど、このドラマのそういうデリカシーが好き。大人のつながりって感じだし。 いままで明之のモノローグしかなかったけど、最後に皆それぞれにモノローグあったの効果的でした。あと今はこうだけど、いつかまた変わっていきそうな予感もするのもよかったな。 友(瀬戸朝香)は、シングルマザーの道を選ぶ。でもひとりで育てるって頑なさではなく、明之に協力してもらいながら。夫はいらないけど、子供の父は必要って、ちょっとわかるわー。離婚してもちゃんと父と母ってカタチ、これからは日本でもスタンダードのひとつになるんじゃないかな。そして友は旅行会社で窓口勤めをしながら、小説家にも復帰。でも小説の内容、3人の父って『スリーメン&ベイビー』かよ!みたいな。 俊介(佐々木蔵之介)は、友への愛を編集者としての愛に昇華。なるほどねん。あといろいろあっても、ちゃんと明之とは「くされ縁ですから」って、今まで通りつきあってるとこも好き。大人だわ。やさしいし、気配りできるし、いつか俊介にもステキな人が現れるといいなあ。 あ、もっくんと蔵之介の小芝居的なやりとりは、息が合っていて、このドラマの楽しみのひとつでした。野ブタが修二と彰なら、今夜は明之と俊介だ!なんちて(アホですんません)。初顔合わせとは思えなかったな。このふたりで、またお芝居やって欲しい。公式サイトの蔵之介インタビュー見ると、もっくんとの共演に手ごたえ感じてたのわかりますのよん。 了(要潤)は、父の残した貯金で借金が返せて、新しいお店で働き始める。で、なにするかよくわかんないけど(笑)、友とこどもを支えるひとりになる。最初は険悪だった明之と、最後はケンカしながらも妙に息があってたのは笑ったな。トラブルメーカーだけど、人の気持ちに敏感だし、ここぞって時はちゃんと人のために行動するし、憎めないキャラでした。さすがあの父の子って感じだよね。 あと玲子は、離婚してアメリカに残してきた小さな息子が、自力でやってきて、母としての幸せを噛みしめる。最初は謎な感じの玲子でしたが、だんだんいい女だってわかってきた。貧血で病院に運ばれた友が、いちばん最初に玲子に連絡しなきゃって思うの、わかるなあ。 梓(奥菜恵)は、ガラス修行のために、サバサバっとNYへ旅立っていった。た、たくましい。父を探しに行った北海道で、おばさんのパトロンまで見つけてるし。梓って、猫みたいに奔放だけど、きちんとスジが通っていてキライにはなれないな。妻の敵ではあるだろうけど、女の敵ではないよね。というか、あんな自分の気持ちに正直に生きるなんて、うらやましいし、すがすがしくさえありました。友や玲子とは別のタイプですが、いい女でしたねえ。 あ、このドラマ、女性陣は大人のいい女でしたね、それぞれに。で、男性陣のキャラはどっちかっつーと、不器用でこどもだったな。まあ、そこがかわいいんだけどさ。 さてさて全編見ての感想を書きますね。 このドラマ、れいこさんが指摘してたように、舞台劇的なおもしろさがあった。役者さんが、皆うまいから可能だったんだろうなあ。6人が顔を合わせるシーンは、ほんとスリリングで見応えあった。あの人生ゲームのシーンとか、やばかったな。6人揃うと、もうワクワクしてました。 ほんとうまく物語が編み上げられていたドラマでした。脚本の龍居由佳里さんのストーリーテーリングのうまさを堪能。大人のための、大人のドラマって感じでした。孤独って言葉を直に使わずに、じんわり孤独を浮かび上がらせていく手腕にうなった。私も39なんで、思い当たること多しでした。いやもう、ズキューンと胸を打ち抜かれっぱなしざんした。 コメディな部分と、シリアスな部分のバランスがよかった。おかしなシーンなのに深い真実が隠れてるとか、シリアスなシーンなのに笑えるとか、そういうバランス感覚好きなんですわ。 遊びやゆとりはちゃんとあるのに、ムダな部分はそぎ落としてあるのも好みでした。例えば、キャストは必要最小限で、余分な人が出てこないこと。明之と了の異母妹・あずきはセリフ上だけ、サエコの相手の佐藤二朗さんはちらっと出ただけだし。これも舞台っぽさにつながってますね。 そして演出、衣装、セット、ロケーション、小物などなど、スタッフワークがとにかく素晴らしかった。さじ加減が絶妙。足し算というより、引き算な感じで好き。あとおしゃれでお金かかってるだろうけど、実現できそうなとこで寸止めしてるのも、うまい。 あとメインの6人が、ちゃんと仕事に誇りを持った、プロとして描かれてるのも好きでした。その仕事がうまいこと、ストーリーやキャラ設定とリンクしてたし。恋愛ドラマって、よく仕事の描写がいい加減だったりする。けど、このドラマは、ほんと細かいとこまで気配りされてた。劇中のガラスや装丁デザインも、プロのクオリティで説得力があった。ほんとスタッフ、リスペクト。 んで、鷺巣詩郎さんのおしゃれな音楽が、このドラマの独特なトーンを生んでたと思う。重いシーンにも軽さがプラスされたり、軽いシーンの奥に深刻さを感じさせたり。ドラマの音楽って威力あるんだなあと、改めて思いました。そういえば鷺巣さん、『恋愛偏差値』でもとんがった劇伴をつけてたな。 このドラマ、ドロドロって感じのアピールしなきゃよかったような気がする…。もっとスマートで洒脱な作品だったのに。それにドロドロ好きは、裏の『大奥』行くだろうしなあ。なんか戦略が惜しい(>_<)! 『今夜ひとりのベッドで』を見てなかった方へ。派手な作品ではないですが、質の高いドラマです。大人の恋愛とか人生が、うまく描かれています。来春、DVDがリリースされるので、もしよかったらレンタルでいいので見てちょ!
by lapin-waka
| 2005-12-25 00:03
| tv
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