工事の音が聞こえるなと思ったら、
すぐ近くの家が取り壊されてた。
この家の玄関脇にある
無造作な植え込みが好きだった。
でも、その植え込みは、
もう、さっさと、なくなくなってた。
たぶん畳半畳分もない位の、
ほんの小さなスペースだった。
でも、季節ごとに表情が違って、
私の密かな目の保養だった。
最初は人が植えたんだろうけど、年月が経つ内に、
植物の力の方が勝っちゃった感じ。
ちょっとワイルドで、決して計算では作れない感じ。
去年から人が住んでる気配がなくて、
壊される予感はしてた。
けど、いざ現実になると、ちょっと心がポッカリするな。