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お問い合わせは Lapinまで。 発行/管理:Miette 著者 三橋和賀子 無断転載、複製は禁止します。 The ban on unapproved reproduction |
*そんなにはネタばれしてません。が、この映画は、あんま前知識を入れずに見た方がいいと思う。 周防監督の11年ぶりの新作、『それでも ボクは やってない』の試写会に行った。テーマは、「裁判」。主役は加瀬亮くん。 まじめで、いい映画だった。まあ、私のおめあては加瀬くんだった訳です。でも、そんな私でもズシンときた。 なんか、こう、見ている方にゆだねてくるような作品で。映画は、あくまでも問題提起で、そっから先は自分で考えさせられちゃう感じ。もし自分や自分の親しい人が、無実なのに裁判で裁かれることになったら?加瀬くんみたいに出来るのか?味方してくれる人はいんのかしら?とか、いろいろ考えてしまった。 で、私は裁判について、知らないことが多すぎる。だから、映画の中の加瀬くんのとまどいは、そのまんま、私のとまどいだった。 日本の裁判制度の矛盾してる部分が、この映画を見るとよくわかる。たくさん問題を含んだ制度なんだな。とくに無実の人にとっては、不利なシステムってのがくっきりわかる。 この日の試写は、周防監督が3年間もの間、取材した方へもたくさん招待されていた。そういう積み重ねから産まれた、リアルさとか、説得力があった。 でも、ただ事実を並べるんじゃなくて。1本の映画として成り立つように、問題の整理のし方、かみくだき方、さばき方が手際よくて。トーンはまじめだけど、やっぱ周防さんの映画っぽいなと思った。たくさんの人に伝わりやすい、普遍性があるんだな。 あとこの映画は、すごく客観的で、乾いてて、静かな感じ。決して、声高じゃない。だからこそ、かえって怖いし、考えてしまう。周防監督のフツフツ沸き上がる怒りを感じた。 事件の発端は、加瀬くんが痴漢に間違われたこと。でも痴漢冤罪というのは、導入部にしか過ぎない。この映画の主題は、あくまでも裁判制度そのもの。けど、この映画見たら、男子なら心のチンポ縮むね。もし、痴漢として逮捕されたら、我が身に起こることのシュミレーションにもなっているから。もう、かなり屈辱的。あれって、犯罪者の心を折るためのシステムなんかな。 では最後に、ミーハー目線で(笑)。 加瀬くんは、やっぱ好きなタイプの役者さんだと思った。うまく演じようとするんじゃなく、ぽんと役のまんま、スクリーンにいる感じが好き。あと言葉でうまく説明できないような、人の曖昧さを体現してるんだよね。実際の人間の気持ちや行動って、単に白黒って訳じゃなく、グレーだったりするじゃないすか。しかも、そのグレーにも、いろんなトーンがあって。加瀬くんの演技は、その微妙で、デリケートな部分をすくい取って、見せてくれる感じがする。んで、普通に話してる時の、加瀬くんの声に弱いんだなと、いまさらながら気がつきましたよ。あの声なら、ずっと聞いていたいわあ。むふぅ。まじめな映画見ながら、ちょっと不謹慎ですが、そんなこと思ってました。アホっすね。んで、加瀬くんたっぷりなのが、単純にうれしい。主役ってよいなあ。しかも、よい作品だし。 んで、私的にはかなり豪華キャストで。くたびれた感じの役やってる時の田中哲司ってのは、かなり好物なんす。この映画は、まさにどんぴしゃ。出番は短いけど、うひゃひゃ。あと大森南朋さんが、もうホントにやな役。どっかにいそうなリアルさで、きっちり演じてた。ヤマコーは、加瀬くんを支える友人役。ほんとヤマコーにぴったりの役でした。ちゃらいようで、まっすぐな男気な人。瀬戸朝香、役所公司、もたいまさこ、光石研、小日向文世、尾美としのり、正名僕蔵、高橋長英、徳井優あたりも、いい仕事してた。徳井優のひと言に、ほろっとした。あと、ほんのちょい役にいい役者さんが、どんどん投入されてて。皆、ピシッと的確な演技してて。内容は地味な映画ですが、実は贅沢だなあと。あ、博太郎だけは、登場するたびにクスクス笑いを誘発してました。役柄だけじゃない、なんかがにじみ出てたな、博太郎。 淡々としてたけど、いろんな意味で、ものすごく怖い映画だと思う。だからこそ、たくさんの人が見てくれるといいな。 『それでも ボクは やってない』 監督・脚本:周防正行 出演:加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、役所公司、田中哲司、光石研、尾美としのり、小日向文世、高橋長英、大森南朋、鈴木蘭々、唯野美歩子、柳生みゆ、野間口徹、山本浩司、正名僕蔵、益岡徹、北見敏之、田山涼成、太谷亮介、石井洋祐、大和田伸也、田口浩正、徳井優、清水美砂、本田博太郎、竹中直人 公式サイト http://www.soreboku.jp/
by lapin-waka
| 2006-11-29 02:02
| movie
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