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お問い合わせは Lapinまで。 発行/管理:Miette 著者 三橋和賀子 無断転載、複製は禁止します。 The ban on unapproved reproduction |
ライブ者なら、「お金がないけど、どうしても遠くのライブ見たい!」って時に、安い高速バスは欠かせない。まあ、最近、すっかり遠征さぼってますが、ライブ者のはしくれなんで、なんの気なしに見たら…こっえー!そして、せづねえよぉ!これは、久々にNHKスペシャルの問題作って感じのドキュメンタリーでした。GWだからって、ゆるっと見るような奴じゃなかった。
ちなみに「高速ツアーバス 格安競争の裏で」は、5月2日(水)深夜00:10から再放送するそうですよ。 http://www.nhk.or.jp/special/onair/070430.html 考えがまとまらんので、見ながら思ったことをランダムに書いときます。 いちばんびっくりしたのは、すでにツアー会社からバス会社に払われる料金は、国が定めた基準より大幅に下回っているってこと。だけど、その低い料金を受け取ったバス会社を罰する規則はあるけど、払った側のツアー会社を取り締まる法律がない。な訳で、バス会社は、ますますコストを締めつけようとする中、バス会社の組合が意を決して運輸局に訴えるんだけど、バス会社側がそんな料金で受けないようにみたいなぬるいことしか、おエライ人は言わない…。 なんじゃ、そりゃ!下請けの立場の弱い側だけ取り締まられるなんて、なんかおかしくないか?なんのための国とか法律なんじゃろか。そんなんで、本当に安全は守れんのかな?誰が、責任とってくれんのかな? 支払われる対価が少ないってことは、バスのケアも、人のケアも、現場が無理せざるを得ないってことだ。安全を守るには、そこが大事なのに。その部分をツアー会社が、立場の弱い孫請けのバス会社に押しつけているようにしか見えなかった。 だけど、その安さを望んでいるのは、私たち消費者だったりもして。自分だって、やや大人になったので安全に対してお金払えますが、若い時はとにかく安いがいちばんだったし。ああ、でも、それは自分の命を安く見積もってることでもあったのだな。 なんか、こういう構造的な問題は、どうしたらいいのかわかんなくなるのお。頭がフリーズする感じ。 で、なんとなく、今回のNHKスペシャルは、ドキュメンタリー作家の森達也さんが手がけた『ドキュメンタリーは嘘をつく』をサブテキストとして合わせて見てると、更に興味深いものになる気がしました。→テレビ版『ドキュメンタリーは嘘をつく』のページ、書籍版『ドキュメンタリーは嘘をつく』のページ 森さんが上記の作品で言ってたのは、意訳すると「どんなにフィルムが真実を写していても、そのフィルムが編集された時点で、編集した人の意図が混じった、元の真実とは違う切り口の“作品”になるということ」。あなたがドキュメンタリーだと思って見ている番組は、実はすでにドキュメンタリーじゃないかもしれない…そういう感じの指摘でした。今回のNHKスペシャルは、そういう怖さも感じたドキュメントでした。 例えば、すんごいヒールにしか見えなかったツアー会社の社長だけど、コストに関する発言や、でかい話してるところが多く使われてたからで。もっと他の発言を使ってたら、絶対、印象変わるよなあと思った。あと困ってしょぼくれてる地方のバス会社のおじさんたちと、目がキラキラしたツアー会社の新入社員の対比とかも、ちょっと編集した人の意図、感じますもん。自分も少しは編集のマジックがわかるだけに。 ああ、でも、やっぱ、どうしても私は、あの困っているバス会社のおじさんたちに肩入れしちまうぜ!なぜなら、自分だって下請けだからさ。安いからって、それで仕事をことわることなんて、滅多にできない〔競合やってるとかスケジュールではたまに断るが〕。次がなくなるのが、やっぱ本能的に怖いから。でも、ちゃんと仕事に責任持って、自分なりにあるレベルのクオリティはキープしたいし。あのおじさんたちのジレンマは、私のジレンマでもあるからだ。なーんて、私の仕事に比べたら、他人の命をたくさん預かっている、あのおじさんたちの事態の深刻さは、本当にはかり知れないけれども。 おじさんたちのバス会社は、孫請けだった。運行スケジュールが、ありえない位ビチビチ。なのに、ある日、ツアー会社がバス会社が方向転換して、孫受けは一切やめて、直接契約のバス会社だけにしたら、おじさんたちのバスには仕事が回ってこなくなった。スケジュール表は、真っ白。うわっ。ツアー会社は安全性うんぬんって建前だったけど、中間コストのカットの意味もでかいんじゃろうな。ほんと、あのあじさんたち、どうしてるだろうか。せづねえ。 それに企業努力すればコストはもっと下がるとか言って、どーんと韓国から大型バスを15台買ってるようなツアー会社の社長みたいな財力も体力は、あのおじさんたちのバス会社にはないはず。コストカットのための費用が、捻出できないんだよ。なのに、スタンスの違う相手に自分の理論しか言えないあの社長は、パワーはあるかもしんないけど、相手のことを考える想像力やデリカシーが足りないようにしか見えなかった。きっと、取材受けたの後悔してるだろうなあ、社長。イメージダウン。でもヒールに徹するなら、経営者としてはありかぁ。んでも、経営者としては、ある意味正しいドライさが、テレビの画面を通すと、よい感じには見えないもんなんだなあとも知りました。 さらに違う立場の人のことも考えてみる。ものすごい倍率〔何千人分だかの内の数人〕をくぐり抜けて、あの成長著しいツアー会社に入社した、新入社員たちはゆうべのNHKスペシャルを見て、どう思ったのかなぁとも思う。その子たちに、親や友だちから速攻、電話いったんじゃないかな。誰も傷つかないドキュメンタリーも、また、ないんじゃないやも…なんて考えたりして。 グダグダ書いたけど、やっぱり私はドキュメンタリーが好きだし、今起きてることを知るには必要だと思ってる。怖い部分もあるけど、それを知った上でつき合いたいのだ。 いつになく、マジメに書いてたら、すっかりチカラ尽きたので、この辺で。まあ、気になったら再放送で、「高速ツアーバス 格安競争の裏で」を見てちょ。かなり重い作品だけどさ。
by lapin-waka
| 2007-05-01 02:42
| tv
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